【登辞林】(登記関連用語集)


[ち]

地域振興整備公団 昭和37年7月20日設立。東京都千代田区霞が関三丁目8番1号。大都市からの産業の地方への分散と地域の開発発展を図るため、工業の再配置の促進に必要な業務を行うことにより、全国的な産業の適正な配置と地域住民の福祉の向上に寄与することが目的とされていた。昭和49年8月1日、「工業再配置・産炭地域振興公団」から名称変更。平成16年7月1日、中小企業金融公庫法及び独立行政法人中小企業基盤整備機構法の一部を改正する法律(平成16年法律第35号)附則3条1項の規定により解散。地方都市開発整備等業務は都市基盤整備公団と統合し、(独)都市再生機構に承継され(独立行政法人都市再生機構法(平成15年6月20日法律第100号)附則3条1項)、その他の権利・義務は(独)中小企業基盤整備機構に承継された。

地役権 設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する用益物権(民法第280条)。便益を供する土地を「承役地」といい、便益を受ける土地を「要役地」という。地役権は、要役地の所有権の処分に従い、所有権と共に移転し、又は要役地に設定された他の権利の目的となる(民法第281条第1項)。要役地に設定された抵当権の効力は、地役権にも及び、要役地上の地上権者や賃借権者は、地役権を行使することができる。これについては、別段の定めをすることができる(民法第281条第1項但書)が、登記をしないと第三者に対抗できない。地役権は、要役地から分離して処分し、又は、他の権利の目的とすることができない(民法281条2項)。
地役権の目的には、制限がなく、その用途に応じて、通行地役権、引水地役権、観望地役権、日照地役権、電線路敷設の地役権等、多様なものが存在する。同一の承役地上に、複数の地役権を設定することも可能である。登記実務上、地上権者等も、地上権等の目的となっている土地を要役地として、地役権の主体となり、他の土地に地役権を設定することができるとされている。

地役権図面 地役権の設定された範囲が承役地の一部である場合に、その範囲を明らかにする図面(不動産登記令第2条、不動産登記規則第79条、第80条、第三号様式)。承役地の一部にする地役権設定登記、地役権設定の範囲が土地の一部となる分筆又は合筆登記の申請などの際に提出される。誰でも手数料を納付して、写しの交付、閲覧を請求することができる(不動産登記法第121条第1項、第2項、不動産登記令第21条第1項)。

地縁による団体 町内会、自治会等、市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体。この団体が不動産又は不動産に関する権利を取得した時は、当該団体の代表者個人の名義又は役員等の共有名義とせざるを得なかったが、平成3年の地方自治法の改正により、その区域に住所を有するすべての個人が構成員となることができる等、一定の要件のもとに、市町村長の認可を受けたときは、不動産又は不動産に関する権利について、権利義務の帰属主体となることができることとされた(地方自治法第260条の2)。
認可前の地縁による団体の代表者の名義から、認可を受けた地縁による団体への登記名義の変更は、登記の原因を「委任の終了」、その日付を市町村長の認可の日として、所有権移転登記をすることができるとされた。この登記の際に必要とされる、認可を受けた地縁による団体の住所証明書及び資格証明書は、市町村長の発行する証明書である(平成3年4月2日民三第2245号民事局長回答)。

地価公示価格

地銀生保住宅ローン(株) 破綻した住宅金融専門会社のひとつ。東京都千代田区内神田二丁目2番1号。昭和51年6月4日設立。平成8年9月1日解散。平成11年6月30日清算結了。

池沼(ちしょう) 不動産登記規則第99条に規定されるの土地の地目のひとつで、かんがい用水でない水の貯留池。(不動産登記事務取扱手続準則第68条)

地上権 他人の土地において、工作物または竹木を所有するため、その土地を使用する権利(民法第265条)。地上権は、物権であるため、賃借権と異なり、当然に登記請求権を有し、土地所有者の承諾なしに譲渡・転貸をすることができる。地代の支払は、地上権成立の要件とはされていない。地上権は、土地所有者には好まれず、同様の効果を果たす賃借権の方が多く利用される。
登記事項は、不動産登記法59条各号に掲げるもののほか、地上権特有の登記事項として、次のものがある(不動産登記法第78条)。
1.地上権設定の目的
2.地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め
3.存続期間又は定期借地権等における定め(借地借家法(平成3年10月4日法律第90号)第22条、第23条第1項)があるときは、その定め
4.地上権設定の目的が事業用の建物の所有を目的とするもの(事業用借地権、借地借家法第23条第1項、第2項)であるときは、その旨
5.区分地上権にあっては、その目的である地下又は空間の上下の範囲、及び、設定行為で地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えた定めがあるとき(民法第269条の2第1項)はその定め
地上権は、抵当権の目的とすることができる(民法第369条第2項)
(→法定地上権) (→借地権

地図 法務局に備え付けられる不動産登記法第14条第1項に規定する地図で、現地復元能力を有するとされている。地番区域又はその適宜の一部ごとに、正確な測量及び調査の成果に基づき作成する(不動産登記規則第10条)。記録事項は、地番区域の名称、地図の番号、縮尺、国土調査法施行令第2条第1項第1号 に規定する平面直角座標系の番号又は記号、図郭線及びその座標値、各土地の区画及び地番、基本三角点等の位置、精度区分、隣接図面との関係、作成年月日、電磁的記録に記録する地図にあっては、前項各号に掲げるもののほか、各筆界点の座標値を記録するものとする(同規則第13条)とされている。誰でも手数料を納付して全部又は一部の写しの交付、閲覧を請求することができる。保存期間は、閉鎖したものを含め、永久(同規則第28条)。旧不動産登記法(明治32年2月24日法律第24号)では第17条に規定されていたため、「17条地図」とも呼ばれていた。

地図に準ずる書面 法務局に不動産登記第14条第1項に規定する地図が備え付けられるまでの間、それに代えて備え付けることができる、一筆又は二筆以上の土地ごとにその位置、形状、地番を表示された図面(不動産登記法第14条)。旧土地台帳附属地図などが当該図面とされている。地図と同様に、誰でも手数料を納付して全部又は一部の写しの交付、閲覧を請求することができる。(→公図

地積 土地の登記簿上の面積。水平投影面積により、「u」を単位として表示され、原則、小数点二位未満を切り捨てるが、宅地、及び、鉱泉地以外の土地で10uを超えるものは、1u未満を切り捨てる。(不動産登記規則第100条)

地籍 一筆ごとの土地に関する、所有者、地番、地目、地積、境界、地積等の情報、又はその記録。

地籍図 (1)地籍調査の結果に基づいて作成された地図。名称、番号、縮尺、座標系の名称又は記号、図郭線及びその数値、基本測量三角点・基本測量水準点及び基準点の位置、土地利用及び工作物の現況、隣図との関係、地番区域の名称、毎筆の土地の境界線及び地番が表示されている(国土調査法施行令第2条第1項第7号イ、第4号)。不動産登記法第14条の地図として法務局に備え付けられる。
(2)固定資産税の適正な課税のために、参考資料として市町村に作成が義務付けられている図面のひとつ(地方税法第380条第3項)。各市町村の条例の規定に従って作成されるが、法務局備え付けの公図や14条地図を使用している自治体も多い。

地積測量図 土地の地積に関する測量の結果を明らかにする図面であり、1筆の土地ごと(分筆の登記を申請する場合に提供する分筆後の土地のものは、分筆前の土地ごと)に、地番区域の名称、方位、縮尺、地番(当該土地のもの及び隣接地のもの)、地積とその求積方法、境界標があるときは境界標等が記録されたもの(不動産登記令第2条第3号、不動産登記規則第75条、第77条)。土地の表題登記、地積の変更・更正の登記、分筆の登記の申請をする際に、申請情報と併せて登記所に提供するものとされている(不動産登記令別表第4項、第6項、第8項)。地積測量図は、不動産登記規則別記第一号の様式により、日本工業規格B列4番の丈夫な用紙を用いて作成することを要し、作成の年月日を記録し、申請人が記名するとともに、その作成者が署名又は記名押印しなければならない(不動産登記規則第74条第2項、第3項)。
誰でも手数料を納付して、写しの交付、閲覧を請求することができる(不動産登記法第121条第1項、第2項、不動産登記令第21条第1項)。
地積測量図は、その提供を要する登記に際して提出されものであるため、過去に提出を要する登記がされたことのない土地については存在せず、また、不動産登記法に地積測量図の規定がされたのが、昭和35年の改正(昭和35年3月31日法律第14号)時であることから、それより前のものについては、現行法上、地積測量図の提供を要する登記がなされていたとしても存在しない。

地籍台帳(→土地台帳

地籍調査 国土調査法に基づく国土調査の一つで、一筆毎の土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、その結果を地図(地籍図)及び簿冊(地籍簿)に作成する(国土調査法(昭和26年6月1日法律第180号)2条5項)。主に市町村等の地方公共団体が実施。地籍調査の成果は、登記所にその写しが送付され、地籍簿をもとに登記簿か書き改められ、地籍図が不動産登記法第14条の地図として備え付けられる。

地籍簿 地籍調査の結果に基づいて作成された簿冊。一筆毎の土地の所在、地番、地目、地積、所有者の住所、氏名又は名称、関係の地籍図の番号が記載される(国土調査法施行令第2条第1項第7号ロ)。

地番 土地一筆ごとに附された登記簿上の番号。不動産登記規則により、地番区域ごとに起番される。住居表示が実施されている地域においては、通常、住所として表示されている番号とは異なる。

地番区域 地番を起番するにあたり、その基礎となる区域。市、区、町、村、等をもって定める。(不動産登記規則第97条)

地方公共団体 ある一定の地域に住む住民によって、その範囲の自治権を行使し、住民の福祉の増進を図る為に定められた団体(日本国憲法第92条、地方自治法第1条の2第1項)。「地方自治体」とも呼ばれる。地方公共団体は、都道府県等の「普通地方公共団体」と東京都の特別区(地方自治法281条)等の「特別地方公共団体」に分けられる(地方自治法第1条の3)。地方公共団体は、法人格を有する(地方自治法第2条第1項)。
地方公共団体が自己のために受ける登記等については、登録免許税は課されない(登録免許税法第4条別表2)。
(→行政区画)(→政令指定都市

地方債 地方公共団体が財政上の必要から負担する債務で、地方公共団体が債務者となる公債。一会計年度内において償還されるものは一時借入金と呼ばれ、地方債とは区別される。地方債を起こす場合には、起債の目的、限度額、起債の方法、利率及び償還の方法について、予算でこれを定めなければならない(地方自治法第230条第2項)。また、地方債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとする場合は、原則として、総務大臣又は都道府県知事に協議しなければならない(地方財政法第5条の3)。(→国債

地方裁判所 裁判所法によって設置される高等裁判所の下位にあたる下級裁判所で、原則的な第一審裁判所(裁判所法第2条第1項)。
全国に50ヶ所(各都府県1ヶ所づつ、北海道は4ヶ所)設置されており、支部が203庁ある。(下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律(昭和22年4月17日法律第63号)第2表)
地方裁判所は、一定の場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱い、一定の場合には、3人の裁判官(うち、1名を裁判長とする)の合議体で事件を取り扱う(裁判所法第26条)。
(→最高裁判所)(→家庭裁判所)(→簡易裁判所

地方自治体(→地方公共団体)

地目 不動産登記規則(平成17年2月18日法務省令第18号)第99条に規定する土地の用途・種類を表す名称。宅地学校用地鉄道用地塩田鉱泉地池沼山林牧場原野墓地境内地運河用地水道用地用悪水路ため池井溝保安林公衆用道路公園雑種地の23種類が法定されており、これ以外のものを定めることはできない。

1 2

このページのトップへ

Copyright (c) 2008 Global Legal Office All Rights Reserved